
対立と向き合い
和解をつくりだす教室に!
大越範子(おおこし・のりこ 東京・杉並区立阿佐ヶ谷中学校)
自主性からスタートする研究ってすごい
現地東京は今から熱いです! 3月例会から8月の「教材バザール」の練習会を行っています。3月29日,「教材バザール」で紹介する1枚レポートを持って東京の仲間が集まりました。「授業で読める絵本の紹介」「教師用デジタル教科書の活用」「授業単元,最後は発表で」「Canvaを学ぼう」「カードゲームで英語を話そう」などなど。それぞれ魅力的な分野を研究して夏にみなさんにお披露目する準備をしています。東京の3月例会のチラシを見た社会科の先生は「発表のタイトルを見ただけで素敵ですね。現場の先生の自主性からスタートする研究って素敵ですね」と心から言ってくれました。「自発的に研究する私たちってすごいんだ」という自己肯定感がマックスになりました。
大会2日目の午後に行われる「教材バザール」は1枚レポート(もちろん実践集など厚いのも歓迎!)から参加できる教材の交流会です。おいでいただけるだけでもありがたいですが,ご自分の世界をレポートに込めてぜひ全国の仲間とシェアしましょう! お腹が満たされ2学期への元気が約束される全国大会にします!
出展:教材を出していただける方→7月5日までに東京支部大越 n.okoshi@com.home.ne.jp 宛,ご連絡ください。個人や各ブロックからのご参加をお待ちしております!
開会行事は『鬼退治したくない桃太郎』
開会行事では,『鬼退治したくない桃太郎』(ピープロダクション・高部優子さん制作)を上映します。今回の大会スローガン「教室は 認め合い 平和な世界を創る場所」を貫くコンセプトとぴったりマッチした作品です。対立と向き合い,和解を作り出すプロセスを学びたいです。分断でなく対話を,排除(退治)でなく共感をという示唆に富んでいます。その後で,この作品を入学したての中学1年生のクラス作りに活かしているという実践報告をしてもらう予定です。教育活動の中で対立をどうしても避けることができない私たちが,和解を創り出すプロセスを学べたら,それはとても有意義なツールになること間違いなしです。一緒に前向きな時間を過ごしましょう。
大会準備の炎を大会後も
研究活動に燃やし続けたい
現地東京では大会準備のために,今まで以上に仲間を募る必要性を感じていました。子育てや介護でしばらく新英研に出られない時期があった仲間や,今.現場で部活動や多くの仕事で研究活動に参加する時間の取れない仲間がいます。東京都に特有の課題である少人数習熟度別授業や都立高校入試にスピーキングテストが導入されたこと,1・2年生へのスピーキングテストの導入など,教員の多忙化の中で深く考えずに当たり前のように受け入れる空気が流れています。今回の全国大会で講演をお願いしているアーサー・ビナードさんの言葉の「深く考えずに前提を受け入れるということは,議論の余地が残されていないまずい状況だ」に危機感を覚えました。まず深く考えるマインド(クリティカルシンキング)の新英研の例会に一人でも多くの仲間を誘っていこうと決意しました。「自分たちが必要だと思う研究をできる研究会」である新英研の価値を再認識して,大会スタッフへの参加を呼びかけることで,仲間が再結集できたと感じています。この小さな炎を大会後も絶やさないように守っていきたいです。
アーサー・ビナードさんが語ってくれました。「みんなが考えない先生になったら,AIにとって代わられてしまうんじゃないかな」って。
(『新英語教育』7月号より転載)